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福岡高等裁判所 昭和29年(ネ)96号 判決

控訴人

(原告) 帆足一呂

被控訴人

(被告) 筑紫村長

主文

本件控訴は、これを棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴人は「原判決を取消す。本訴中被控訴人に対してした昭和二十五年度分の固定資産税(税額金千九百十六円)及び昭和二十六年度分の右同税(税額金二千五百三十二円)の各賦課処分の取消を求める部分については、本件を原審に差戻す。被控訴人が控訴人に対してした昭和二十四年度分の家畜税(税額金百円)の賦課処分は、これを取消す。以上各取消請求においての控訴が理由のないときは、右各賦課処分の無効であることを確認する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする」との判決を求め、被控訴代理人は控訴棄却の判決を求めた。当事者双方の事実上の陳述及び証拠の提出援用認否は、控訴人において「被控訴人は控訴人に対し、地方税法第三百六十七条に基き村議会の議決を経て、固定資産税の税額を半減すべきであつたのに、そのことなくしてなした本件固定資産税の賦課処分は違法である。」と述べ、原審における乙第八乃至第十号証の各成立を認めた外、原判決当該摘示と同一であるから、これをここに引用する。

理由

当裁判所の判断は、左に附記するの外、原判決に示された理由と同一であるから、右理由をここに引用する。

本訴中固定資産税の賦課処分の取消を求める部分は、原判決の理由によつて不適法であつて、その訴は却下をまぬかれないし、又右賦課処分の無効確認を求める部分の請求は、よしや控訴人主張のとおりの事実関係だとしても、そのことは右処分の無効原因となるものではないから、到底棄却をまぬかれない。

されば、固定資産税賦課処分の取消請求について訴を却下し、その無効確認及び家畜税賦課処分の取消並びに無効確認の各請求を棄却した原判決は相当であるから、民事訴訟法第三百八十四条第八十九条第九十五条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 桑原国朝 岡林次郎 秦亘)

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